赤坂浄苑を支える様々なスペシャリストを紹介していくこのコーナー。
今回は改葬を幅広い角度から支援している「サライ」を訪問し、甲斐浩司社長にお墓の引越しで大切なポイントなどをお聞きしました。

改葬で悩むお客様に安心と勇気を与えたい

改葬代行サービス サライ 株式会社 パイル21
甲斐浩司社長

手続きから撤去まで煩雑なことが多い改葬

- 以前JOUENで赤坂浄苑へ改葬する際の洗骨についてインタビューしました。最近は改葬の代行サービスの依頼が増えているとお聞きしました。

甲斐:そういった背景には、「終活」という言葉が定着し、従来あったお墓を「お墓じまい」し、他の墓地などに移動する「改葬」を考える人が増えてきたことがありました。
しかし、お墓というものはご遺骨を納める場所であって出すところではないというのが、それまでの一般的なイメージです。それは行政サイドやお寺様も同じだったかも知れません。改葬に関する社会のインフラが整っていない状況だったと言えるでしょう。様々な書類があって複雑ですし、地方自治体によって書式もちがっていました。
さらに実際に改葬の段階になればお墓の解体や墓石の処理も考えなければいけません。そして何よりもお世話になってきたお寺様から離檀するわけですから、住職様にも配慮する必要があります。そういった改葬に対するすべての問題を一括して相談できるサービスがあれば皆様のお役に立てると考えたのです。

改葬の様々な課題に応える代行サービス

- 実際にサライではどのような改葬代行を行っていますか。

甲斐:まず改葬に関する書類の手続きですが、スタッフが行政書士の資格を取りました。実際改葬手続きは、どなたでもできるのですが、安心して任せていただくためには士業のスタッフが関わったほうが良いと考えたのです。また万が一の法律のトラブルについては弁護士の有資格者が対応できるようになっています。
さらに遠方からの改葬の場合にはご遺骨の移送もご負担となります。
特に高齢者にはご遺骨は重く、運転免許を返納された方が一般の交通機関を使って持ち運ぶのは無理があります。そこで現地でお骨を引き取り、スタッフが持ち帰って洗骨や乾燥をさせていただくことも可能になっております。

礼を尽くすことがトラブル回避のポイント

- 改葬についてのトラブルはどのような点に気をつければ廻避できますか。

甲斐:特に皆さん気にされるのが離檀についてだと見受けられます。お客様がお寺様と丁寧に向き合えず、トラブルに発生する場合があります。親や祖父母の代からご縁があり、お世話になってきたお寺様ですから、礼を尽くすことが何より大事だと思います。
そういった中で気になるのは離檀料でしょう。中には想定した以上の金額を請求される場合もありますし、また今はインターネットで簡単に調べられる分、不安を煽るような情報に触れる場合もあります。そこでサライとしましては長年の経験から相場と言えるような金額をお伝えするようにしています。
もちろん、法律で離檀料が定められているわけではありませんが、今のところ離檀料を含めてトラブルが発生したケースはありません。

- 改葬代行を利用されたお客様の反応はいかがでしょうか。

甲斐:多くの方が安心されているように感じます。改葬は、ほとんどの方が初めての経験になることでしょう。我々も皆様のバックボーンになることで少しでも勇気を与えることができればと思っています。お寺様も墓苑を管理する側もプロフェッショナルです。しかし、お客様はそうではありません。そこに改葬代行のプロフェッショナルがサポートすることで力強い存在になっていきたいと考えています。
新しいお墓を購入するだけでも経済的な負担は大きいと思います。そういったことにも配慮し、初回の法律相談は無料で行っていますし、他の料金もなるべく抑えるようにしています。このことも安心していただける要因になっているのではないでしょうか。

終の棲家を身近に感じていただくために

- 先祖代々のお墓を移すことにうしろめたさを感じている方もいるかと思います。 改葬をどのように受け止めれば良いと考えていますか。

甲斐:たとえば、故郷のお墓は遠すぎるために改葬される方がいます。故郷を離れて遠くに住むようになったのは様々な理由があるでしょう。それは家族が幸せを求めて行ったことだと思います。そのことを咎めるご先祖様はいないのではないでしょうか。
何より大切なのは、お墓参りに来てくれることです。その意味で近くにあるのが一番ではないかと思います。お墓はご先祖様がいらっしゃるところで我々も、いつかはそこに行く場所でもあります。年を重ねれば重ねるほど、そのことを深く感じておられるようです。そして、そういった終の棲家が身近にあることで余生を安心して過ごされているように思います

- 本日はありがとうございました。