上赤坂浄苑を支える様々なスペシャリストを紹介していくこのコーナー。
今回は納骨室からお厨子を参拝ブースの墓石まで運ぶ自動搬送式を支えるトヨタL&F東京株式会社の髙梨幸洋さんと菅野孝資さんにご登場いただきました。

物流システムとフォークリフトのエキスパート

トヨタL&F東京株式会社
取締役 事業推進本部副本部長 物流システム部担当
髙梨幸洋 
物流システム部 サービスグループGL
菅野孝資 
トヨタL&F東京株式会社

清々しいお墓参りを安定稼働で支える会社。

- まずトヨタL&Fとはどのような会社か教えていただけますでしょうか。

髙梨:社名にある「L&F」がLogistics(ロジスティクス=物流)とForklift(フォークリフト)の頭文字を現わしており、「トヨタL&F」は、物流システムとメイン商品のフォークリフトを中心の業務としている会社です。なかなか皆さんの目に触れることはありませんが、工場や市場、倉庫、店舗などで無人でモノを運ぶ自動搬送のシステムの設計から施工、メンテナンスまで関わりながら、フォークリフトの販売なども行っています。

- 屋内墓苑の分野に自動搬送の技術を活かそうと思った理由は何でしょうか?

髙梨:多くのお墓は郊外にあり、お墓参りと言えば一日がかりのイメージがあります。しかし若いうちならまだしも、年齢を重ねるとそこに掛かる負担は大きくなってきます。これは高齢化がますます加速する時代では大切な課題だと感じていました。そういったときにこの案件のお話があったのです。駅に近く、雨の日でも傘をささないで参拝ができる赤坂浄苑の建設にぜひお役に立ちたいと思った次第です。
菅野:同感です。遠くまでお墓参りに行くのは大変ですが、逆に東京23区内にお墓を持とうと思えば土地代だけでも高価になります。そんな課題を解決している点にも共感しました。

厳粛な祈りの場面に最新の技術とまごころを注ぐ

- 赤坂浄苑での施工では、どのような点を大事にされましたでしょうか。

菅野:倉庫などの自動搬送と大きくちがうのは、厳粛な祈りに関わっているところです。そのため、お厨子が納骨室から墓石に運ばれてきた際には、ズレなどがないようセンサーなども稼働させています。参拝される方は操作もカードをかざすだけで、ご高齢の方でも無理なくできるようにいたしました。
髙梨:納骨室から墓石までご遺骨が届く時間にも配慮しました。勿論大切なご遺骨ですので丁寧にお運びするのが第一ですが、長くお待たせすることもできません。そのために搬送速度もある程度、確保できるよう検討いたしました。お厨子は納骨室を出て、徐々に加速し、墓石に近づくにつれ、減速していく仕組みになっています。

- メンテナンスではどのようなところに気を配っていますか。

菅野:何よりも途中で止まったり、お厨子が出てこないことなどがないよう、念入りに点検し、安定稼働するよう心掛けています。また、限られた敷地を有効活用して作っている分、内部は非常に狭くなっており、作業がしづらくなっております。そのため、事故などがないよう、作業前はしっかりとミーティングして危険予知を行うようにしています。万が一、不具合があった際はまず電話で、それでも難しい場合はすぐにお邪魔して対応するようにしていますが、私たちも赤坂浄苑を支えるスタッフの一員という自覚に立ち、参拝される方とお会いした際は挨拶を欠かさないようにしています。

裏方で赤坂浄苑を守る誇り

- 赤坂浄苑の自動搬送について御社が関わったからこそ、良かったと思うことをお話しください。

菅野: 現在は休苑日にお邪魔して点検していますが、以前は平日の合間にメンテナンスを行っていました。作業をしているとご来苑される方の声もよく聞こえてきたのですが、皆さん、室内空間の美しさや洗練された雰囲気に感動されている様子が中にいても伝わってきました、そういったことは何度もあり、ここに納品させていただき、良かったとその度に思いました。また社内でも赤坂浄苑の評判はよく、実際に購入を検討しているメンバーもいます。
髙梨:お墓について考えることはあまりないからこそ、いざというときに慌ててしまうものです。そういったときに、親身に相談相手になり、寄り添っていく赤坂浄苑に裏方の立場ではありますが関わることができ、私自身、感謝しています。

- ありがとうございました。