新年のご挨拶 2019.01.09 伝燈院 赤坂浄苑 副住職 角田賢隆 新年あけましておめでとうございます。 「正月」とは一年の初めに、その年の豊作を司る「歳神様」(としがみさま)をお招きしお祝いする時期で、稲作により発展してきた日本にとって大変大切な行事でございます。 新年の挨拶である「おめでとう」の語源は「愛でる」(いつくしむ)でございますが、その他に「芽出る」(芽吹き)という意味も含んでおり、「歳神様」に対する感謝や人々の繁栄や向上を祈るありがたい挨拶なのです。 日本仏教は神道の懐の深さから「神仏混合」で混ざり合い現在に至っておりまので、仏教においても「神様」は大切とされております。毎年行っております「祈祷会」では、お釈迦様が説かれた「般若経」の功徳で皆様方の安寧をお願いする傍ら、「神様」に対しても供養を差し向けお力添えをいただいております。 生まれた日を一歳とし、正月を迎えると歳をとる歳の数え方を「数え年」(一月三十一日出生すると翌日二歳になる)といい、それほどまでに日本人にとって正月はおめでたいものでございました。 よく「数え年」と「満年齢」はどちらが正しいですかとの質問をお聞きいたしますが、はっきりとした正解はございません。現代において「数え年」で年齢を伝える習慣は皆無ですから、伝燈院では「満年齢」での表記を推奨してございます。ですが、古来より行われている「厄除け」などは「数え年」で行うことが多くありますので、その用途によってご自身で判断されるのがよろしいかと思います。 禅語の「日々是好日」(にちにちこれこうじつ)という言葉が私の座右の銘であり、「毎日が自分にとっていい日である」という意味です。 何かと大変な暮らしをされており、到底そのようには思えなく「神仏」に助けを求めようとする方がおられます。しかし、いかなる宗教でも信仰の本質は「感謝」でございます。日頃の感謝あって初めて、努力ではどうしても到達できないあと一歩を後押ししてくださるのが道理であり、なんでもかなえてくれるような都合の良い万能神は存在いたしません。 私自身未熟であり、失敗続きの日は落ち込み、お酒の量が増え、人や時代に責任転嫁してしまうこともありますが、目線を少し変えて、つらい経験も明日に繋がる糧と思えれば、次の日には何事もなかったかのように元気になっていたりするものでございます。 今年は年号も変わり心機一転するには大変良い年でございます。よろしければ「日々是好日」を参考にしていただき充実した日々をお過ごしくださいませ。 伝燈院 角田賢隆 拝 前の記事 新春祈祷会 餅つき大会 ご報告 次の記事 [good face 09]まごころの味を法事にお届けする宮内庁御用達の名店。 一覧へ戻る カテゴリー 選択してください 最新情報 行事のご案内・ご報告Good Face(協業者紹介)住職・副住職のご挨拶その他 アーカイブ 選択してください 2025202420232022202120202019201820172016201520142013